ラビリンスシールの特徴と用途をわかりやすく解説【設備保全向け】

機械要素

設備の回転軸まわりで使われるラビリンスシールは、摩耗しにくく高速回転にも対応できる「非接触式シール」の代表的な構造です。

本記事では、設備保全に携わる初心者〜中級者の方に向けて、

  • ラビリンスシールの基本構造
  • 主な用途
  • メリット・デメリット

をできるだけ専門用語をかみ砕きながら解説します。


1.ラビリンスシールの概要

まず、シール(軸封)には大きく分けて次の2種類があります。

  • 接触式シール:ゴムやカーボンなどが軸に触れて密封する
  • 非接触式シール:軸と触れず、構造で漏れを抑える

ラビリンスシールは後者の非接触式です。

軸と固定側の間に「迷路(ラビリンス)」のような溝を設け、
流体(空気・蒸気・ガス・油ミストなど)がまっすぐ抜けない構造になっています。

ポイント

  • 軸とシールが直接触れない
  • 流体は迷路状の隙間を通るため圧力が下がる
  • 結果として漏れ量を大幅に減らせる

つまりラビリンスシールは、

摩耗させずに漏れを抑える構造

であることが最大の特徴です。


2.ラビリンスシールの用途

ラビリンスシールは、特に高速回転・高温環境で使われます。

主な使用例はこちらです。

  • タービン(蒸気・ガス)
  • コンプレッサー
  • ブロワ・送風機
  • 発電設備
  • 工作機械の主軸

これらの設備は、

  • 回転数が高い
  • 接触式シールだと摩耗や発熱が問題になる

という共通点があります。

そのため、長寿命かつ発熱しないラビリンスシールが選ばれています。


3.ラビリンスシールのメリット

● 接触部がないため寿命が半永久的

軸と触れないため、

  • 摩耗しない
  • 定期交換がほぼ不要

となり、理論上は半永久的に使用可能です。

保全コスト低減にもつながります。


● 高速回転でも発熱しない

接触摩擦がないため、

  • 高回転でも温度が上がりにくい
  • 焼付きの心配がない

高速回転機器には非常に大きなメリットです。


4.ラビリンスシールのデメリット

構造が複雑で高価

迷路形状は精密加工が必要となり、

  • 部品価格が高い
  • 製作リードタイムが長い

という傾向があります。


隙間があるため漏れを完全には止められない

非接触式のため必ず微小な隙間が存在します。

そのため、

  • 漏れ量をゼロにはできない

完全密封が必要な場所には不向きです。


5.まとめ

ラビリンスシールは、

  • 非接触構造
  • 高速回転対応
  • 摩耗しない
  • 長寿命

という優れた特長を持つ一方で、

  • 高価
  • 微小漏れは避けられない

という弱点もあります。

設備条件に応じて、接触式シールと使い分けることが重要です。

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