ベアリング故障の原因と対策|初心者・中級者向け保全ガイド

設備保全やメンテナンスの現場で最もトラブルが多い部品の一つがベアリングです。ベアリングの故障は、設備停止や品質不良、生産ロスに直結するため、原因と対策を正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、設備保全に携わる初心者〜中級者の方向けに、ベアリングの基礎から、代表的な故障原因、そして実務で使える対策までを分かりやすく解説します。


ベアリングとは何か

ベアリング(軸受)とは、回転する軸を支え、摩擦を低減するための機械要素です。モーター、ポンプ、コンベア、工作機械など、あらゆる設備に使用されています。

代表的なベアリングには以下があります。

  • 転がり軸受(玉軸受・ころ軸受)
  • すべり軸受

設備保全の現場では、扱いやすく汎用性の高い転がり軸受が使われることが多く、故障対応の多くもこのタイプが対象となります。

ベアリングは「正常に回って当たり前」の部品ですが、使用条件が悪いと寿命を迎える前に故障してしまいます。


ベアリング故障の主な原因

1. 潤滑不良

最も多い原因が潤滑不良です。

  • グリス不足
  • グリスの劣化
  • 不適切な潤滑剤の使用

これらにより金属同士が直接接触し、摩耗や焼付きが発生します。特に「グリスは入っているから大丈夫」と思い込み、交換時期を過ぎたグリスを使い続けるケースは要注意です。

2. 異物混入

粉塵、切粉、水分などの異物混入もベアリング寿命を大きく縮めます。

  • シールの劣化
  • 洗浄不足
  • 周囲環境が悪い

異物が転動体や軌道面を傷つけ、振動や異音の原因になります。

3. 取付不良・芯ずれ

取付時のミスも初心者が陥りやすいポイントです。

  • 圧入時の叩き込み
  • 軸やハウジングの芯ずれ
  • 過大な締め付け

これによりベアリングに偏荷重がかかり、早期剥離や割れが発生します。

4. 過負荷・使用条件不適合

設計以上の負荷や回転数で使用すると、内部に過大な応力が発生します。

  • 想定以上の荷重
  • 高温環境
  • 回転数オーバー

結果として疲労寿命が大幅に短くなります。


ベアリング故障を防ぐための対策

1. 適切な潤滑管理

  • 使用条件に合った潤滑剤を選定する
  • 定期的に補給・交換を行う
  • グリスの変色・硬化を点検する

「とりあえずグリスアップ」ではなく、量・種類・周期を意識した管理が重要です。

2. 異物対策と環境改善

  • シール付きベアリングの採用
  • 定期清掃の実施
  • 水や粉塵が多い環境ではカバーを設置

異物を「入れない」ことが、最も効果的な長寿命化対策です。

3. 正しい取付作業

  • 圧入治具を使用する
  • 内輪・外輪のどちらに力をかけるかを守る
  • 取付後に回転確認を行う

取付時の一手間が、故障リスクを大きく下げます。

4. 状態監視と予兆保全

  • 異音・振動・温度の変化を記録する
  • 定期点検で「いつもと違う」を見逃さない

突発故障を防ぐためには、事後保全から予兆保全への移行が重要です。


まとめ

ベアリング故障の多くは、

  • 潤滑不良
  • 異物混入
  • 取付不良
  • 使用条件ミス

といった基本的な管理不足が原因です。

初心者・中級者の方ほど、「壊れたら交換」ではなく、なぜ壊れたのかを考え、再発防止につなげる視点を持つことが、設備保全スキル向上の近道となります。

ベアリングを正しく理解し、日常点検と管理を徹底することで、設備の安定稼働とトラブル削減を実現しましょう。

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