基本的な劣化パターンとは?
設備を構成する部品は、使用している限り必ずストレスを受け、時間とともに劣化します。
重力・高温・高速回転・化学的腐食・屋外環境など、使用条件はさまざまですが、「劣化しない部品」は存在しません。
そのため、設備を安定稼働させるには、
- 部品ごとの劣化特性を理解する
- 劣化の進み方(パターン)を把握する
- 適切なタイミングで保全・交換を行う
ことが重要になります。
劣化の進行を時系列で見ると、部品の劣化パターンは大きく4種類に分類できます。
劣化パターン1|一定期間後に劣化が加速するタイプ
新規使用開始からしばらくの間は劣化がほとんど進みませんが、
ある時点を境に劣化が始まり、その後急激に進行するのがこのパターンです。
焼き入れなどで表面を固くした部品などが対象になります。
硬化層がなくなると一気に摩耗が進行するため、注意が必要です。
主な特徴
- 初期は劣化が見えにくい
- 劣化開始後は進行が早い
- 定期点検で兆候を捉えることが重要
対象例
- 軸
- 歯車
劣化パターン2|使用時間・回数に比例して劣化するタイプ
使用開始直後から、稼働時間や動作回数に比例して劣化が進行します。
摩耗や伸びなど、進行が比較的わかりやすいのが特徴です。
主な特徴
- 劣化の進み方が予測しやすい
- 使用実績に基づいた交換計画が立てやすい
対象例
- チェーン
- ベアリング
- ローラー
劣化パターン3|予兆がほとんどなく突然寿命を迎えるタイプ
劣化の前兆がほとんど見られず、突然使用限界に達するのがこのパターンです。
寿命には統計的なばらつきがあり、状態監視が難しい部品が該当します。
主な特徴
- 事前兆候を捉えにくい
- 故障履歴・寿命データの蓄積が重要
対象例
- 電球
- 電解コンデンサ、ICチップ
- 梁などの構造部材
劣化パターン4|使用期間内ではほとんど劣化しないタイプ
通常の使用条件・期間では、劣化がほとんど確認されない部品です。
ただし、想定外の環境条件では劣化する場合もあります。
主な特徴
- 長期安定性が高い
- 環境条件の変化には注意が必要
対象例
- セラミックス材料
- 固定配線
- 静止構造物
劣化パターン別に考える保全のポイント
- パターン1・2
劣化状態を監視し、劣化が加速する前に保全をすることが重要
点検した記録はグラフ化するなどして、劣化の進行を把握しておくと兆候に気が付きやすい
状態基準保全(CBM)でも管理できるが、重要度に応じて周期保全(TBM)で対応 - パターン3
劣化が観測できないため、
故障時期を記録し、寿命前に交換する予防保全が重要。主にTBM管理を採用する - パターン4
通常は保全頻度は低いが、
環境変化や外的要因には注意が必要。特に振動や熱にさらされている環境では
思いもよらぬ劣化が発生している可能性あり
まとめ
設備の劣化パターンは主に4種類あり、適切な保全方法は異なります。
自分の担当設備の特徴を掴んで最適な保全方法を採用していきましょう。


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