設備保全において「オイル管理」は軽視されがちですが、実は設備寿命・故障率・保全コストを大きく左右する重要ポイントです。
オイルは単なる潤滑剤ではなく、
- 摩耗防止
- 冷却
- 防錆
- 異物の捕捉
といった複数の役割を担っています。
本記事では、
- オイル劣化が及ぼす影響
- 実務で使える管理方法
を現場目線で分かりやすく解説します。
1.オイルの状態が設備に及ぼす影響
潤滑性能の低下
オイルは使用を続けることで、
- 酸化
- 熱劣化
- 水分混入
- 摩耗粉の蓄積
が進行します。
その結果、粘度が変化し油膜が保持できなくなり、
- 軸受の焼き付き
- ギヤの異常摩耗
- モーター負荷増大
といったトラブルにつながります。
特に油膜切れは金属同士の直接接触を招くため、部品寿命を急激に縮めます。
バルブのつまり
劣化したオイルにはスラッジ(沈殿物)や微細な金属粉が含まれやすくなります。
これらが油路やバルブ内部に堆積すると、
- ソレノイドバルブの動作不良
- 油圧制御の遅れ
- 流量低下
といった不具合が発生します。
現場では
「バルブが悪い」と判断されがちですが、根本原因はオイル汚染だったというケースも非常に多いです。
2.オイルはどのように管理するか
オイル管理の基本は以下の2点です。
- 定期交換
- 汚れの除去
この2つを組み合わせることで、設備トラブルを大幅に減らせます。
定期的にオイルを入れ替える
もっとも確実な方法は定期交換です。
交換周期は、
- 使用温度
- 運転時間
- 汚染環境
- メーカー推奨値
を基準に決めましょう。
ポイントは「トラブルが起きてから」ではなく
時間管理・運転時間管理で予防交換することです。
これだけで突発停止リスクは大きく下がります。
フィルターで汚れを除去する
交換だけでなく、使用中の清浄度維持も重要です。
代表的な方法は以下の2つです。
● フィルター
もっとも一般的な方法で、
- 金属摩耗粉
- ゴミ
- スラッジ
を物理的に捕捉します。
定期交換を怠ると、
- 目詰まり
- バイパス流れ
- ろ過能力低下
が起きるため、差圧管理や交換履歴の記録が重要です。
● 遠心分離機
遠心力を利用して、
- 微細な金属粉
- 水分
- 重いスラッジ
を分離除去します。
微粒子レベルまで除去できるため、
- 大型設備
- 高価な潤滑油
- 連続運転設備
では特に効果的です。
「交換+遠心分離」を組み合わせることで、オイル寿命を大幅に延ばせます。
3.まとめ
オイル管理は単なる消耗品管理ではありません。
設備の健康診断そのものです。
重要ポイントを整理すると、
- オイル劣化は潤滑不良やバルブ詰まりを引き起こす
- 定期交換で劣化をリセットする
- フィルターや遠心分離で清浄度を維持する
- 予防保全として管理することが最大のコスト削減になる
という流れになります。
「壊れてから直す」より
「汚れる前に管理する」
これが設備保全におけるオイル管理の本質です。


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