機械設備の動力伝達に欠かせない「ギヤ(歯車)」。
モーターの回転を伝えたり、回転方向を変えたり、トルクを増減させたりと、あらゆる産業機械の中で重要な役割を担っています。
この記事では、
- ギヤとは何か
- 代表的なギヤの種類と用途
- それぞれの特徴と使い分け
を初心者にも分かりやすく解説します。
1.ギヤとは
ギヤ(歯車)とは、回転運動や動力を他の軸へ伝達する機械要素です。
主な役割は次の3つです。
- 回転方向を変える
- 回転速度を変える
- トルク(力)を変える
ギヤはベルトやチェーンと比べて
- 滑りがない
- 正確な回転比が得られる
- 大きな動力を伝達できる
という特徴があり、減速機・搬送装置・工作機械など幅広く使われています。
2.ギヤの種類と用途
ここでは現場でよく使われる代表的な5種類を紹介します。
■ 平歯車(スパーギヤ)
特徴
- 歯が軸に対してまっすぐ
- 構造がシンプルで安価
- 効率が高い
デメリット
- 噛み合い時の衝撃が大きく騒音が出やすい
主な用途
- 小型減速機
- コンベヤ装置
- 一般産業機械
■ はすば歯車(ヘリカルギヤ)
特徴
- 歯が斜めになっている
- 徐々に噛み合うため静か
- 高負荷に強い
デメリット
- 軸方向にスラスト力が発生
- 平歯車よりコストが高い
主な用途
- 減速機
- ポンプ駆動部
- 静音性が必要な装置
■ ダブルヘリカルギヤ
特徴
- ヘリカルギヤを左右対称に配置
- 軸方向のスラストを相殺
- 非常に高トルク対応
主な用途
- 大型減速機
- 圧延設備
- 発電設備
■ 傘歯車(ベベルギヤ)
特徴
- 軸が直角に交差
- 回転方向を変えられる
主な用途
- 自動車のデファレンシャル
- 直角駆動の減速機
- 工作機械
■ ラック・ピニオン
特徴
- 回転運動を直線運動へ変換
- シンプルで制御しやすい
主な用途
- 自動ドア
- 工作機械送り装置
- 昇降機構
■ ギヤ種類と用途まとめ表
| ギヤ種類 | 主な特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 平歯車 | 安価・高効率 | 小型減速機、搬送装置 |
| はすば歯車 | 静音・高負荷 | 減速機、ポンプ |
| ダブルヘリカル | 超高トルク | 大型産業設備 |
| 傘歯車 | 回転方向変更 | 自動車、工作機械 |
| ラック・ピニオン | 直線運動化 | 昇降装置、送り機構 |
3.まとめ
ギヤは単なる「歯車」ではなく、
- 回転方向
- 回転速度
- トルク
を自在に制御できる重要な機械要素です。
設備保全の現場では、
- 騒音の増加
- バックラッシの増大
- 歯面摩耗
などがトラブルの初期兆候になります。
それぞれのギヤの特徴を理解しておくことで、
✅ 異常の早期発見
✅ 適切な部品選定
✅ 寿命延長対策
につながります。
ぜひ今回の内容を、日常点検や設備改善に役立ててください。


コメント