設備保全の現場で日常的に使われる「故障」という言葉。
しかし、その意味を正しく説明できるでしょうか?
まずは、故障の定義から整理してみましょう。
故障の定義 〜JISが示す考え方〜
JIS(日本産業規格)では、故障を次のように定義しています。
「アイテム(必要とされるもの)が、要求機能達成能力を失うこと」
ここで重要なのは、「動かなくなること」だけが故障ではない、という点です。
設備に求められる「本当の機能」とは
設備や機械は、単に動くために存在しているわけではありません。
- 製品を製造する
- 品質を作り込む
- 安全・保安を確保する
これらの目的のために設計され、作られた道具です。
つまり、設備に求められる「要求機能」とは
「動くこと」ではなく、「欲しい製品を、求められる品質と安全性で作ること」なのです。
設備保全とは「形」を守ることではない
ここで、設備保全の本質が見えてきます。
設備保全とは、
- 見た目を維持すること
- 部品を新品のまま保つこと
ではありません。
設備が果たすべき機能を、継続して維持すること
これこそが設備保全の本来の目的です。
「保全」という言葉は
「全き(まったき=良い状態)を保つ」
という意味を持っています。
故障は2種類に分けて考える
設備保全では、故障を大きく2つに分類します。
① 機能停止型故障
設備や機械が停止し、本来の機能を果たせなくなる故障です。
- 車のエンジンがかからなくなった
- 生産設備が完全に停止した
発生すると大きな生産影響を与えます。
② 機能劣化型故障
一見動いているように見えても、要求される性能や品質を満たせなくなる故障です。
- 車の走行時の振動が以前より大きい
- 製品の寸法ばらつきが増えてきた
すぐに生産に影響は出ませんが、品質不良や重大故障の前兆となることが多く、特に注意が必要です。
設備保全は「経営に直結する活動」
設備保全は現場中心の活動ですが、その成果は会社全体に影響します。
- 安定生産
- 品質向上
- 災害・事故ゼロ
- コスト低減
これらはすべて企業経営の基盤です。
オペレーター、設備保全担当者、他部門の社員であっても、
設備保全に関わる人は皆、経営に寄与する重要な使命を担っています。
まとめ
- 故障とは「要求機能を果たせなくなること」
- 設備保全は「設備の機能を維持する活動」
- 故障には「停止型」と「劣化型」がある
- 設備保全は現場だけでなく、経営を支える重要な活動
設備保全の考え方を正しく理解することが、
トラブルの未然防止と価値ある保全活動につながります。


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