1.非破壊検査とは?
非破壊検査とは、
対象物を壊したり傷つけたりせずに、内部や表面の欠陥を調べる検査方法です。
設備や部品は一見問題なく見えても、
・微細な割れ
・溶接不良
・内部の空洞
・疲労き裂
といった欠陥が潜んでいることがあります。
非破壊検査を使えば、分解や破壊をせずに
・故障の予兆を早期発見
・事故や突発停止の予防
・設備の健全性評価
が可能になります。
設備保全においては、定期点検やトラブル解析に不可欠な技術です。
特に重要度の高い検査では目視検査でで見逃してしまうリスクを避けるために実施をおすすめします。
2.非破壊検査の種類と特徴(保全でよく使う3手法)
| 検査方法 | 主な検出対象 | 適用できる材料 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 浸透検査(PT) | 表面に開口した微細な割れ | 金属・非金属(非多孔質) | 非常に細い表面き裂を高感度で検出 |
| 磁粉探傷(MT) | 表面および表面直下の割れ | 鉄などの磁性体のみ | 現場で手軽、浅い内部まで検出可能 |
| 超音波探傷(UT) | 内部欠陥、厚み変化 | 金属全般 | 深部の内部欠陥を非破壊で検出 |
3.浸透検査(PT)の特徴と用途
液体を使って、表面に開いたき裂を可視化する検査です。
検査手順
- 表面に浸透液を塗布
- 割れ内部に液体が染み込む
- 表面を拭き取り
- 現像剤を塗布
- 割れ部分だけ液がにじみ出て模様が現れる
特徴
・極めて微細な表面割れも検出できる
・材料の種類をほとんど選ばない
・装置が簡単で低コスト
注意点
・表面がザラザラした多孔質材料には不向き
・欠陥は「表面に開いている」必要がある
・表面が汚れていたり塗装が残っていると誤検出の原因になる
主な用途
・溶接部の表面割れ検査
・鉄、アルミやステンレス部品等のき裂確認
・回転軸やシャフトの疲労き裂検出
4.磁粉探傷(MT)の特徴と用途
材料を磁化し、割れ部分に磁粉が集まる現象を利用する検査です。
特徴
・ハンディ装置で現場検査が可能
・表面だけでなく表面直下(数mm程度)の欠陥も検出
・結果が目で見てすぐ分かる
注意点
・鉄などの「磁性体」にしか使えない
主な用途
・歯車やシャフトの疲労き裂検査
・クレーンフックや構造部材の割れ確認
・溶接部の定期保全点検
5.超音波探傷(UT)の特徴と用途
超音波を内部に送り、反射波から
内部の割れや空洞を見つける検査です。
特徴
・材料内部の深い位置まで検査できる
・厚み測定も同時に可能
・データとして記録・再評価できる
注意点
・表面直下は検出しにくい(デッドゾーンがある)
・形状が複雑な部品は難易度が上がる
主な用途
・溶接内部の欠陥検出
・配管や圧力容器の肉厚測定
・大型部品の内部割れ確認
フェイズドアレイUT(PAUT)の特徴
複数の超音波を電子制御で角度変更し、
広範囲を一度にスキャンできる高度なUTです。
・扇状に探査できる
・断面画像として可視化できる
・欠陥の位置・大きさ・形状を高精度把握
・検査時間の短縮と記録性の向上
大型構造物や重要設備の高度診断に使われます。
6.まとめ|用途に応じた使い分けが重要
・表面の微細な割れ → 浸透検査(PT)
・表面〜浅い内部の割れ → 磁粉探傷(MT)
・内部深部の欠陥や厚み測定 → 超音波探傷(UT)
それぞれ得意分野が異なるため、
対象材料と目的に応じた選定が設備保全の品質を左右します。
非破壊検査を適切に活用することで、
安全性向上・突発故障防止・保全コスト低減につながります。


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