回転機械のトラブル原因として非常に多いのがカップリングの芯ずれです。
モーターとポンプ、減速機などをつなぐカップリングは、正確な芯だしができていないと、振動・摩耗・破損といった重大トラブルにつながります。
この記事では、
- なぜ芯だしが重要なのか
- 軸心の測定方法(ダイヤルゲージ)
- 軸心ずれの許容範囲
- リジットとギヤカップリングの違い
を設備保全初心者向けにわかりやすく解説します。
1.なぜ芯だしが重要なのか?
芯だしとは、接続される2本の軸の中心線(軸心)を一致させる作業です。
軸心がずれたまま運転すると、次のような悪影響が発生します。
軸心がずれた時の主な影響
- ベアリング寿命の低下
- カップリングゴム・歯部の早期摩耗
- シャフト折損
- 振動・騒音の増大
- モーター電流増加
- シール部からの漏れ
つまり芯ずれは、
「設備寿命を縮める原因」
と言えます。
設備トラブルの多くは、実はこの“初期据付精度”に起因しています。
2.軸心を測定する方法(ダイヤルゲージ)
現場で最も一般的なのがダイヤルゲージによる芯だし測定です。
主に以下の2項目を確認します。
✅ 平行ずれ(オフセット)
軸同士が平行だが、中心位置がずれている状態。
✅ 角度ずれ(アンギュラ)
軸の角度が傾いている状態。
ダイヤルゲージ測定の基本手順
- ゲージを片側軸に固定
- 相手側カップリング外周または端面に当てる
- 軸をゆっくり1回転
- 最大値と最小値の差からずれ量を算出
- シム調整や位置調整で修正
最近はレーザー芯出し器も普及していますが、
ダイヤルゲージは安価で確実な基本工具として今も多く使われています。
3.軸心ずれの許容範囲
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軸心ずれの許容値はカップリングの種類によって大きく異なります。
代表的な2種類を比較してみましょう。
リジットカップリングとギヤカップリングの比較
| 項目 | リジットカップリング | ギヤカップリング |
|---|---|---|
| 構造 | 剛結合 | 歯車構造 |
| 芯ずれ許容 | ほぼゼロ | 比較的大きい |
| 平行ずれ許容 | ±0.02mm程度 | ±0.1〜0.3mm程度 |
| 角度ずれ許容 | ほぼ不可 | 約0.5〜1° |
| 特徴 | 高剛性・精密 | フレキシブル |
| 用途 | 精密装置 | 大型回転機 |
※実際の許容値はメーカー仕様を必ず確認してください。
ポイント
- リジットタイプは「芯だし必須」
- ギヤカップリングは「許容値は大きいが万能ではない」
ギヤカップリングでも芯ずれが大きければ、ギヤの異常摩耗が急速に進行します。
4.まとめ
カップリングの芯だしは、設備寿命を左右する極めて重要な作業です。
本記事の要点
- 芯ずれは振動・摩耗・破損の主要原因
- ダイヤルゲージで平行ずれ・角度ずれを測定
- 許容範囲はカップリング種類で大きく異なる
- リジットは高精度必須、ギヤは多少の逃げあり
現場では
「とりあえず回るからOK」
ではなく、
「正しく芯が出ているか?」
という視点が、トラブルゼロ設備への第一歩になります。


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