設備トラブルというと、「突然機械が止まった」「急に不良が出た」という印象を持たれがちです。しかし、設備保全の視点で見ると、故障は決して突然起きるものではありません。
必ずその前段階として、小さな異常や変化が積み重なっています。本記事では、設備故障の本質を「微欠陥」という考え方から解説します。
故障とは何か?設備トラブルの本当の正体
一般的に「故障」とは、設備や機械が本来果たすべき機能を失った状態を指します。
設備停止、品質不良、チョコ停、さらには災害事故まで、私たちが目にするのはすべて結果です。
重要なのは、「なぜその結果に至ったのか」を考えることです。
設備保全では、故障を単なる現象として捉えるのではなく、その背景にある原因を掘り下げて考えます。
設備は部品の集合体でできている
設備や機械は、単体で存在しているわけではありません。
部品 → ユニット → システム(設備)という構造で成り立っています。
つまり、設備が故障したということは、
- どこかのユニット
- さらに言えば、そのユニットを構成する部品
に異常が発生しているということです。
設備故障の根本原因は、必ず部品レベルに存在します。
「ガタがガタを呼ぶ」小さな欠陥が故障を連鎖させる
たった1本のボルトの緩みが引き起こす問題
工作機械では、刃物台やテーブルの剛性が加工精度を左右します。
刃物台固定部のボルトがわずかに緩んだり、摺動部に摩耗が生じると、目に見えないレベルのガタが発生します。
このガタは、最初は寸法測定をしなければ分からない程度ですが、加工中の微振動を引き起こします。
結果として工具摩耗が進み、加工面粗さの悪化や寸法ばらつきが発生します。
さらに放置すると、主軸や送り機構への負担が増え、工作機械全体の精度低下や故障へとつながります。
加工不良の裏には、必ず微欠陥が潜んでいると言えます。
故障の原因は「悪玉微欠陥」
欠陥とは何か?
欠陥とは、意図した使用条件に対する要求事項からのズレや不備のことを指します。
摩耗、傷、緩みといった物理的な変化だけでなく、油汚れ、粉塵、ゴミの堆積なども欠陥に含まれます。これらは一見すると些細なものですが、設備性能を確実に低下させます。
欠陥は設備故障の要因となっているのです。
欠陥はすぐに故障を起こすとは限らない
欠陥の厄介な点は、初期段階では問題として表面化しないことです。
そのため見過ごされやすく、放置されがちになります。しかし、欠陥は時間とともに成長し、他の欠陥と組み合わさることで不具合へと発展します。
欠陥・不具合・故障の関係
設備トラブルは次のような流れで進行します。
欠陥 → 不具合 → 故障
不具合とは、「状態や調子が良くない」段階を指し、まだ完全な故障には至っていない状態です。
この不具合の段階で対処できるかどうかが、設備保全の重要な分かれ道になります。
欠陥の3つの分類
大欠陥|設備が停止する重大故障
大欠陥は、設備が稼働不能になる機能停止型の故障です。
原因が比較的単純で、結果として分かりやすい特徴があります。
中欠陥|設備は動くが性能が低下する状態
中欠陥では設備は稼働できますが、加工精度の低下やチョコ停、慢性不良を引き起こします。
複数の原因が絡み合っていることが多く、対策が難しくなります。
微欠陥|故障の予備軍
微欠陥は、単独では故障を引き起こしません。
しかし、複数の微欠陥が重なったとき、相乗効果によって突発的な故障が発生します。
なぜ微欠陥は放置してはいけないのか
微欠陥を放置すると、次のようなリスクがあります。
- 成長して大欠陥へと変化する
- チョコ停や小さな不良を繰り返す
- 複数の欠陥が重なり故障を引き起こす
- 条件次第で災害事故につながる
「小さいから大丈夫」という判断が、最終的に大きな損失を招きます。
設備保全とは微欠陥と向き合う活動
故障ゼロを実現するための考え方
設備保全の本質は、故障を修理することではなく、
故障を起こさせないことにあります。
現場で実践したい保全活動
- 清掃によって異常を見える化する
- 小さいうちに復元する日常保全を徹底する
- 見えない部分は測定し、計画的に保全する
これらをすべてを行うには工数と時間が多くかかります。
まず活動を始めて、センサなどを用いた点検の省人化や壊れにくい設備へ改善する
工夫を行っていくことが大切です。これについては後日記事を作成したいと思います。
まとめ|設備保全の鍵は微欠陥の徹底管理
設備故障は、微欠陥の積み重ねによって発生します。
だからこそ、設備保全では小さな欠陥を見逃さないことが非常に重要です。
微欠陥を徹底的に管理することが、
故障ゼロ・品質安定・安全な設備につながります。


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